前略秋吉台(秋吉台の輪郭)

秋吉台は、山口県美祢市中・東部に広がる日本最大のカルスト台地(旧地名「秋吉町」からとられた名前)です。総面積130km2、台地面の標高180〜420mである。台の主部は広大な草原地となっており、草原の景観維持のため毎年2月頃に野焼きが実施されている。地表には無数の石灰岩とともに多数のドリーネ(擂鉢穴)を有するカレンフェルト(数10cmから高さ数メートルの石灰岩)が発達し、地下には秋芳洞、大正洞、景清洞、中尾洞など、400を超える鍾乳洞がある。カルスト上の降水は地下に浸透し、秋芳洞をはじめとする多くの洞窟地下水系を通じ、台地に降る雨の大半が厚東川に排出する。また、ドリーネどうしが連結したものがウバーレ、ウバーレがさらに侵食され巨大化したものがポリエです。

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追伸秋吉台(カルスト三兄弟)

秋吉台とこれから紹介する2箇所のカルスト台地、これらを日本三大カルストと呼んでいます。

・平尾台 福岡県北東部に位置する、北九州市小倉南区、行橋市、田川郡香春町、同みやこ町に跨る標高370~710m、台上面12k㎡(秋吉台54k㎡)のカルスト台地である。最高峰は北九州南区の貫山(712m)でその周辺には460~600m級の山が点在する。大草原には目白洞、千仏洞、牡鹿洞などの鍾乳洞が点在する。日本三大カルストと呼ばれ、北九州国定公園に指定されている。景観良く、北九州市下曽根地区、刈田町行橋、中津市、山口県、さらに国東半島が見えることがある。毎年3月頃に草原を守るため野焼きが行なわれる。yama-5

・四国カルスト 高知県と愛媛県との県境にある標高1400m、東西に約25kmに広がるカルスト台地です。そのなかで最も高い地点天狗高原(1485m)からは石鎚山など周辺の山が見える。四季それぞれの顔を見せ夏は草に覆われ緑のじゅうたん、秋はススキが一面に広がる。また、乳牛の放牧地帯としても有名で多くの牛が放牧されカルスト地形に牧歌的雰囲気をかもし出し、多くの人が訪れる観光地となっている。昭和39年3月愛媛県の四国カルスト県立自然公園として指定されている。

他所には阿哲台((あてつだい)岡山県新見市))、帝釈台((たいしゃくだい)広島県東部比婆郡、神石郡))などにカルスト地形がある。

拝啓秋吉台(秋吉台の茶目っ気)

・秋吉台の茶目っ気(その1)  コース案内で述べた ③のコースのはじめの谷へ降りるとき、道の両側は笹が腰の位置まであり、その中を歩いているとバサ!!バーサバーサ!! と突然大きな音がすぐ近くでし、熊でも出たのかとすごい驚きと恐怖を感じました。しかし、なんとそれは、雉が薮から飛び上がった音だったのです。鶏冠は見事な赤で図鑑で見たものと同じでした。思ったより大きい鳥でした。それから先何度かこういうことが起きましたが、突然に出てくるのは、 毎回、大驚きで心臓に悪い。きじodorokasu

・秋吉台の茶目っ気(その2)  独りで地獄谷を歩いて熊笹を掻き分け、掻き分け進んでいる時(これを薮掻きという)山焼きの終わったすぐ1週間ということもあって、あたり一面こげ茶一色すり鉢状の谷底の地獄のような世界で、心細いところになお、後ろから追ってくる何かがあるのです。ゴソ、ゴソという音が繰り返し聞こえ、恐怖で前だけを見て歩いているうちに、薮を掻き分けた薮が後ろで跳ね返り笹があたりあった音であったことにに気づき、胸をなでおろしたことがありました。しかし、薮掻きは前がわからず、なお後ろを振り返ってみても何も見えない状態で進むのでいつもドキドキものです。tozannsya2

・秋吉台の茶目っ気(その3)  これも地獄谷を薮掻きの後、急で足元が悪い急峻な坂を上り終えた後、わずかに判る40cm程度の片側崖のくねくねした道を歩いていたときの話です。これもかなりの恐怖を覚えました。道を歩いていると、コツ、コツ、コツと、私の歩くペースで、後ろから聞こえてくるのです。後ろを思い切ってみると何も、誰もいません。ピッチを上げるとピッチが上がり、試しに足を止めると、音は消え、ピッチを落とすとゆっくりとなる。ものすごい恐怖を覚えました。これらを何度か繰り返しているうちに、ついに気がついたのです。なんと、それは私のリュックの帯の紐がリュックに当たって音を出していたのです。おかしくてたまりませんでした。blackman2_shock

・秋吉台の茶目っ気(その4)  御鉢山(406m)はさながら昔話に出てくる急峻な鉢を逆さまにした丸っこい山で、愛嬌のある私の好きな山です。龍護峰(425.5)に行くときの一番の難関です。昔話のようにサッサーとはいきません。少し登ればスポーツ飲料を飲んで一休みこの繰り返しでようやく頂上に着きます。しかし御鉢山から観る景色は絶景です。御鉢山から龍護峰までは標高差20mですから少し下って少し登るだけです。この龍護峰で見える景色の中でセメントメーカーが石灰岩を削り取った段差のある山は秋吉台の景観を破るものです。一見を! tozan              ・秋吉台の茶目っ気(その5)  東の西山の麓には狸の住む岩崖があるが、狸の姿は見たことはない。確かにそれらしい穴はありますが。夜行性なので昼間はこもって寝ているかもしれない。また、ここは知られざるワラビがたくさん生えている場所でです。秋吉台科学博物館から狸穴まで20分、さらに10分歩くと大きな木がある。他には生えていないので間違えることはありません。たくましいと言っていいやら悪いやら。ただ、この木1本だけがずーっと健気に秋吉台を見て立っているのは間違いない。素晴らしい。

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秋吉台の野鳥たち(四季のさえずり)

 

秋吉台は総面積は総面積13000haのカルスト台地である。このうち3412haが鳥獣保護区に、大正洞周辺60haが同特別保護区に指定されている。毎年早春に行われる、山焼きによって維持される秋吉台国定公園の草原は3分の2がネザサ、ススキ、ハギなどで、残り3分の1はアカメガシワ、カシ、ナラなどの雑木林や、マツ、スギ、ヒノキの植林地になっています。                       山焼きが終わると、ホオジロ、ウグイス,ヒバリ,キジなどの草原の鳥たちがさえずり始め、セッカ、ホオアカ、も加わり、台上は子育て真っ盛りとなる。                            5月の中頃にはカッコウ、ホトトギスも鳴き始め、カレンの隙間を利用して繁殖するシジュウカラガラが見られることもある。周辺の山林では、キビタキ、オオルリ、サンコウチュウ、時にはヤイロチョウの声を聞くこともある。                        8月になると台上は鳥たちの声も少なくなり、時には日本海沿岸から渡来すると思われるミサゴ、アマツバメが見られる。秋の台上は南に渡るノゴマやノビタキ、ハチグマ、北から訪れるまひわ、ツグミ、アトリなどに出会うことができる。

冬の秋吉台でハイタカ、ノスリ、チュウヒなどの鷹類が見られ、周辺の雑木林ではイカル、シメ,シロハラ、ミヤマホオジロなどが見られる。秋吉台では周辺部を含めて100種類以上の野鳥が記録されているが、一番のお勧めは5月から7月の草原の鳥たちである。

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帰り水の不思議(秋吉台の地学)

 

秋吉台の東部に位置するくぼんだ地形の南北に伸びる谷状地形はウバーレ(ドリーネが二つ以上組み合わさり大きくなったものをウバーレという。)と呼ばれます。「帰り水」と呼ばれる場所です。。そこは深く侵食された大きなウバーレであり、地下の川が一瞬地上に顔を見せている。この川は実は秋吉台を流れる唯一の川でです。ここでは台地が地下水位より低い位置まで侵食されているのであり、地上と地下が接触するまでに近づいている。「帰り水」とは、地上と地下が接触する特異点なのです。ウバーレの底には湧き水があり、湧き出る水は10数メートル流れた後再び地中に吸い込まれます。大雨が降ると排水が追いつかず、ウバーレの底に一時湖ができます。数日するとなくなります。またこの帰り水には地質学的重要なことがあります。地質学者により地表より浅い地層の化石のほうが古い化石(フズリナ)が出土し、深い地層より出土した化石が新しいことがわかったのです。つまり、地層が逆転しているのです。まず大きな地殻変動がおこりこの地域一体の地層が大きくしゅう曲し、地層の一部が逆転した層の上部が侵食されることによって、地表面が消え表には最も古い地層が表れる。さらに侵食が進みドリーネが発達することによって下部の新しい地層が顔を見せる。これが帰り水のウバーレです。

整合地層しゅう曲浸食ドリーネ

緑色が新しい地層 黄色、赤色と順に古い地層です。

上左図、地層整合 左から2番目、地層しゅう曲

3番目 地層侵食 一番右 ドリーネ化

しゅう曲し、上層部の侵食が進み、結果、赤の部分の古いちそうが浅い部分に現れ深い部分(黄色、緑色の地層)が浅い部分に現れる。フズリナの新旧で地層がひっくり返っていることがわかる。

秋吉台の行事(秋吉台の大エネルギー)

 

○秋吉台山焼き  例年2月下旬ころ(風、雨により順延することが多いい。)

日本最大のカルスト台地、秋吉台の周囲から火を放つ『秋吉台山焼き」。1300ヘクタール(東京ドーム280個分)もある日本一規模の大きい草原の山焼きは見ごたえ十分。草原を駆け巡る炎を見ようと毎年多くの観光客が訪れています。

山焼きの目的は秋吉台の草原が消滅(森林化など)するため、毎年雑草などを焼いて新しい芽を育てるくりかえし。ただ、あまりに広大な台地だけに、人手不足が深刻なようです。秋吉台より外に火が移らないように秋吉台の外周を幅10数メーター、事前にかりこむ(防火帯)ことだけでもかなりの人員が必要です。yama-4

 

○美祢秋吉台高原マラソン 国定公園に指定されている秋吉台はこの時期緑あふれた台地から新芽の発育促進のため「山焼き」されてできたもうひとつの顔、黒、茶の草原と石灰岩(羊岩)の織り成す神秘的な世界に一変する。その貴重な大パノラマの中を駆け抜けることができるレースです。(3月第一日曜)

ハーフマラソンの特徴は、坂好きなランナーにはもってこいのジェットコースターのような繰り返しのコースです。小刻みなアップダウンを繰り返し5km過ぎた頃から、ひたすら、高低差130mを下ります。10km地点で折り返し、下った分ひたすら走り上るハードなコースです。『登りきった時の景色がいい」「走り終えた時の達成感が今までで一番」との声もあり、坂好きランナーたちを魅了しています。

ハーフの他にも10km、5km、2kmも設定されています。家族一緒に出場出来るのも人気のひとつです。yama-2

詳しくは 美祢市教育委員会事務局 生涯スポーツ推進課 0837-52-5261 に問い合わせください。

 

○秋吉台カルストウォーキング 10月第4日曜日 秋吉台とその周辺が、自然の雄大さや景観の美しさだけでなく、地質学的にも貴重な遺産であるとともに歴史の宝庫でもあることを参加者の皆様に感じてもらえる、ウォーク大会です。コース長さ17km、10km、5kmがあります。

詳しくは 美祢市教育委員会事務局 生涯スポーツ推進課 0837-52-5261 に問い合わせください。

○秋吉台観光まつり花火大会 山中を舞台にした山口県美祢市の花火大会

カルスト台地の秋吉台で打ち上げられる花火には西日本で希少な2尺球もあり、まるで空から星が降るようなロマンチックな景色が楽しめます。また、打ち上げ前にはレーザーショーもあります。まわりは静寂に包まれ暗闇の中で見る花火の鮮やかさに感動します。場所はカルスト展望台付近。今夏2016年は7月30日を予定しているとのこと。 hanabi背景なし

詳しくは 秋吉台観光まつり実行委員会事務局(美祢市観光協会)0837-62-0115

○トレイルランニング 山草原の様な不整地を走るランニングスポーツ。欧米では盛んであるが日本はあまり知られていない状態であったが、マラソンや登山ブームに乗って両者の要素を持つ「トレイルランニング」が知られるようになった。秋吉台リフレッシュパークをスタートし、カルストロード、秋吉台旅行村~真名ヶ岳~秋吉台旅行村ゴール。約21km 詳しくは美祢市観光協会まで。393280  CIMG1015

○みね・すと・ろん サイクリング リフレシュパークをスタートし、カルストロード、美祢市内を周遊する。レース形式ではなくサイクルを楽しむ大会です。つあー・おぶ・美祢 ロングコース。約100km。

35kmのミドルコースもあります。詳しくは、一般社団法人 美祢青年会議所 0837-53-1666まで。458644CIMG1094

○秋吉台の花を観察するウォーキングツアー 台地を歩きながら大自然の中で草花をインタープリター(自然と人との『仲介」となって自然観察を行う人物)中沢妙子さんのガイドによる草花を観賞するウォーキングです。2016年6月19日に予定されてます。yama-1

詳しくは美祢市観光協会 0837-62-0115 まで。

 

 

 

 

 

 

ラムサール条約およびジオパークとは?(秋吉台への優しさ)

秋吉台でよく耳にする、ラムサール条約とジオパーク。ここではこれらを簡単に説明します。

○ラムサール条約 湿地の保存に関する国際条約。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で1971年に制定された。1980年以降定期的に締約国会議が開催されている。正式題名は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」 ラムサール条約は作成された地であるイランの都市ラムサールにちなむ通称である。湿地とは天然のものであるか人口のものであるか、永続的なものであるか、一時的なものであるかを問わず、さらには水が滞っているか、流れているか、淡水であるか、汽水であるか、海水であるかを問わず、ぬまち,湿原、泥炭地または水域をいい、低潮時における水深が6mを越えない海域を含む。秋吉台水系は2005年正式登録さた。

○ジオパーク 遺産(大地の遺産、ジオヘリテイジ、(英geoheritage))の保全を目的としたプログラムであり、その場所である。ジオパークでは大地の遺産を保全し教育やジオツーリズム活用しながら、地域の持続可能な開発を進める仕組みを構築しようとしている。日本語で説明する場合に『大地の公園」という言葉を使っている。

保全: 台地の遺産を保全する 教育: 台地の遺産を教育する

ジオツーリズム: 単なる美的鑑賞眼のレベルを超えてある場所の地球科学的な現象に対して興味や関心を持ち知識と理解の獲得を目指す観光であり、地域の経済を活性化を図る。

秋吉台

上図はラムサール条約の対象区域

秋吉台は2015年加盟。

 

 

 

散策に必要なもの(秋吉台へのまず一歩)

登山グッズ紹介したコースで必要なもの(さらに時間、距離の長いものは再考する必要あり)

○服装 長袖長ズボン(できるだけ明るい物をヲ着る。ダニなど付着した物がわかりやすい。

○靴 トレッキング、ハイキング用靴 (底のしっかりした物で、足にしっくりした物。靴のフィット感でハイキング、トレッキングの快適感がかわる。)

○リュック 20~30リットル程度 (リュックに鈴など音の出るものをつける)

服装 長袖シャツ、長ズボン(できるだけ明るい色の物。ダニ等付着物が良くわかる)。

帽子

食物、飲料 スポーツ飲料(350cc×3 1本は非常用に残す。)乾パン等(非常時用)

飴(散策中、非常用)

弁当(休息時に食事する場合)

○その他必要なもの

下着の替え、タオル 手ぬぐい(けがをした時に止血等に使う。)、カッパ(簡素な

物でよい。)、携帯電話(密閉できる袋の中に入れる。フル充電で。)、ナイフ、コンパス、ステッキ、鈴等音の出るもの(リュックにつける)。

ホイッスル(非常時に鳴らして助けを求める。)テーピングテープ(非常用に止血、

固定用に使う。双眼鏡(リュックに入れば)

登山グッズ

 

 

秋吉台の草花(四季の彩り)

秋吉台国定公園では現在約2000種が確認されています。貴重種も多数生育しています。ここでは散策で見られる10数種類を取り上げてみます。

○オキナグサ(翁草) キンポウゲ科 3月~4月 山野の日当たりの良い草地に生える多年草。果期の羽毛の塊のような姿を老人の白髪にみたてた名。毎年、山焼き後の真っ黒な台地に毛むくじゃらの小さな芽を見つけると秋吉台に春が来る。、この頃に若竹山から秋吉台道路に沿い長者が森へ散策するコースの途中、咲いていることがわかるように小石で囲われています。花言葉は清純な感情、告げられぬ恋。P4150125

○ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)  スミレ科 3月~5月 日当たりの良い草地など、明るく乾いた環境を好むスミレ。花弁は濃紫色から赤紫色で重なり合うように咲き、花弁の基部の三分の一ほどが白いので花の中の中心が白く抜けて見えます。花言葉は小さな愛、誠実。

○ハシナガヤマサギソウ(嘴長山鷺草) ラン科 5月~6月  日当たりの良い草地に生える多年草。距の長さが20mm以上。大型連休に入って草丈が低い草原で咲き始めます。高いものでも30cmたらずで、花の色も黄緑色と派手ではないのに良く目立ちます。

○ベニヤマタケ ヌメリガサ科 3月~5月 広葉樹林や杉林、ときに草地に散生するキノコ。地元では「アカバナ」と呼ばれ、親しまれてきました。

○カノコソウ(鹿の子草/別名ハルオミナエシ) オミナエシ科 4月~6月 山地のやや湿り気のある草地に生える多年草。ピンクの小さな花が集まった花穂が鹿の子絞りを思わせることからの名。花言葉は適応力、真実の愛情。

○コオニユリ(小鬼百合) ユリ科 7月~8月 山地の草原に生える多年草。茎は淡緑色、花は橙紅色。数個がまばらにつき、直径8cmほど。冠山ほか他所で見ることができ元気を与えてくれる花です。花言葉は情熱、賢者、陽気。CIMG0846

○カワミドリ(川緑) シソ科 8月~10月 山地の草地や林縁に生える多年草。名前の由来は不明。枝先に出た長さ5~15cmの果穂に、紫色の唇形花が密集してつきます。花は8~10mm、下唇は3裂し、雄しべ4個は花冠から突き出ます。茎や葉はスペアミントに似た香りがあります。花言葉は最後の救い。

○オミナエシ(女郎花) 7月~10月 日当たりの良い山の草原に生える多年草。全体の優しい姿からの名。葉は対生し、羽状に裂けます。茎の頂に多数の黄色の花が集まって上の平らな花群となります。花は直径3~4mmで上半部は5裂、雄しべは4個、雌しべは1個。花言葉は美人、はかない恋。

○サイヨウシャジン(細腰沙参) キキョウ科 7月~10月 中国地方と九州の草原に生える多年草。花の美しさを柳腰の美人に例え、根が沙参に似ていることによる名。ツリガネ人参の基本種で、花冠の先がわずかにくびれて、つぼ型となり花柱がもっと長く突き出します。花は淡紫色または白色。花言葉は感謝、誠実。

○ナンバンギセル(南蛮煙管)ハマソウ科 8月~10月 山野に生える1年生の寄生植物。花の形がキセルに似ていることによる名。すすき、みょうが、サトウキビの根によく寄生する。高さ15から20cmの高さの花柄の先に長さ3~4cmで淡紫色の筒状の花を横向きににつけます。とても不思議な花です。花言葉は物思い。CIMG0918

○ヒメヒゴタイ 山地の草原に生える2年草。株の葉は羽状に深裂し、上方の葉は裂けない。茎の上部で枝を分け、多数の赤紫色の頭花が傘型に密集し、頭花は球形で、直径1~1.6mm。希少種。himehigotai[1]

○マルバハギ(丸葉萩/別名ミヤマハギ)マメ科 7月~10月  山地に生える落葉低木。小葉は先が円く、小さな葉3枚からなるなり、茎から分かれた葉の根元より紫色の蝶形花が開きます。花は長さ1~1.5cm。がくは四つに分かれ、先は針状に尖っています。派手ではなく、しかし愛らしいこの花は武士の好む花だったようです。秋吉台ではマルバハギは 萩の仲間の中では一番多い種類です。

○カワラナデシコ(河原撫子/別名ナデシコ)日当たりの良い草原、河原などに生える多年草。葉は線形、花は淡紅色で直径約4cm。花弁は5個あり、細かく糸状に切れ込みます。暑いころはやさしいピンクですが、秋深まるにつれ、濃い色になります。花言葉は大胆、純愛です。CIMG0551

○センブリ(竜胆) リンドウ科 10月~11月 山野の日当たりの良い草地に生える一年草。古くから胃腸薬として知られ、千回振り出しても、まだ苦いということによる名。花は直径2~3cm。白色で紫色のすじがあります。リンドウと同じように、日が当たっている時だけ花が咲きます。リンドウ科に共通にいえる、凛とした花です。花言葉は義侠の愛、弱いものを助ける。senburi031030[1]

○リンドウ リンドウ科 10月~12月 山野に生える多年草。乾燥させた根茎を漢方では竜胆と呼び、その音からの名。茎頂や上部の茎と葉の付け根に青紫の鐘の花がつき、鼻の長さ4~5cmで5つに切れ込み内面に茶褐色の斑点があります。日が当たる時に咲き、陰ると閉じてしまいます。青紫がとてもきれいな花です。花言葉は悲しんでいるあなたを愛す。11300008

11020022CIMG0445          上はアキノキリンソウ(9月から10月) 右は  アキヨシアザミ(10月から11月)11020020

ウメバチソウ(10月~11月)

さらに詳しく知りたい方は「秋吉台で出会った花」中沢妙子発行の本 またはホームページ http://www.c-able.ne.jp/takosan/  を参照してください。