帰り水の不思議(秋吉台の地学)

 

秋吉台の東部に位置するくぼんだ地形の南北に伸びる谷状地形はウバーレ(ドリーネが二つ以上組み合わさり大きくなったものをウバーレという。)と呼ばれます。「帰り水」と呼ばれる場所です。。そこは深く侵食された大きなウバーレであり、地下の川が一瞬地上に顔を見せている。この川は実は秋吉台を流れる唯一の川でです。ここでは台地が地下水位より低い位置まで侵食されているのであり、地上と地下が接触するまでに近づいている。「帰り水」とは、地上と地下が接触する特異点なのです。ウバーレの底には湧き水があり、湧き出る水は10数メートル流れた後再び地中に吸い込まれます。大雨が降ると排水が追いつかず、ウバーレの底に一時湖ができます。数日するとなくなります。またこの帰り水には地質学的重要なことがあります。地質学者により地表より浅い地層の化石のほうが古い化石(フズリナ)が出土し、深い地層より出土した化石が新しいことがわかったのです。つまり、地層が逆転しているのです。まず大きな地殻変動がおこりこの地域一体の地層が大きくしゅう曲し、地層の一部が逆転した層の上部が侵食されることによって、地表面が消え表には最も古い地層が表れる。さらに侵食が進みドリーネが発達することによって下部の新しい地層が顔を見せる。これが帰り水のウバーレです。

整合地層しゅう曲浸食ドリーネ

緑色が新しい地層 黄色、赤色と順に古い地層です。

上左図、地層整合 左から2番目、地層しゅう曲

3番目 地層侵食 一番右 ドリーネ化

しゅう曲し、上層部の侵食が進み、結果、赤の部分の古いちそうが浅い部分に現れ深い部分(黄色、緑色の地層)が浅い部分に現れる。フズリナの新旧で地層がひっくり返っていることがわかる。


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